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2008/06/25
今月の食の安全トピックス〔6月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆JAS法に基づく改善命令等2件(農水省)
1) 改善命令:手延べそうめん等の不適表示の改善(6月6日)
販売先から返品されたそうめん、葛きりを再包装し、最初の出荷時と同じ期間の賞味期限を表示して再販売したことは、事実と異なる期限日の表示で、加工食品品質表示基準で禁止する「内容物を誤認させる表示」に当たるとして、農水省から改善命令を発出。2002年に製麺地の不適正表示で改善指示を受けていた最中の行為(7年前から)で悪質として「命令」の形がとられた。
<備考>
  表示の賞味期限:そうめん1年6ヶ月、葛きり2年。メーカーは実質期限3年半のそうめんに、1年半の表示をしており、品質を確認し再包装して1年半の期限を表示しても、トータルで期限を越えないため問題はない、業界慣習との意見を表明。しかしこの事は逆に科学的・ 客観的根拠に基づいていない期日を製品個々に表示することになり、表示の信頼性を損なう不適正な表示であるとして、JAS法の体系では受け入れられない。
2) 改善指示:鮮魚の原産地(6月5日)
昨年4月から本年3月まで、中国、韓国産のタチウオ、ぶり、アンコウなどを国産(長崎、福岡県産など)表示していたとして改善指示。
上記いずれも農水省のHPに詳述されています。 http://www.maff.go.jp/j/jas/index.html

◆かに、えびのアレルギー表示義務化が告示されました。(厚労省 6月3日)
6月3日食品衛生法施行規則が改正され、「えび」と「かに」がアレルギー表示義務対象食品に指定されました。
施行:2008年6月3日 猶予期間2年間(2010年6月3日までに製造、加工、輸入された食品が猶予の対象)
<改正内容>
すでに周知されていると思われますので詳細は省略しますが、今改正のポイントはエビの範囲が拡大されたことです。
〔これ迄〕 アレルギー表示の推奨対象であったエビの範囲から、「いせえび類」、「うちわえび類」、
      「ざるがに類」が除かれていた。
〔改正後〕 これまで除外されていた「いせえび類」、「うちわえび類」、「ざるがに類」を含めた、エビ
       と総称される全てが表示義務の対象となった。
※「おきあみ」などアミ類は、これまで同様、エビの範囲からは除外されています。また「かに」の範囲に変更はありません。
<留意事項>
推奨表示(特定原材料に準ずるもの)から義務表示に変更されたことによって、両物質(食品)のアレルギー表示の表記方法が変更されたわけではありません。したがって、現在エビ、カニのアレルギー表示をしている食品には、特に問題が生じませんが、表示がない商品については以下の点を確認する必要が生じます。
[1]  えび表示がないが、新たに範囲に加えられたイセエビ類が使用、又は複合原材料の一部に含まれていないか。
[2] 魚介エキス、しらす、ちりめんじゃこ、海藻類など、エビ、カニを捕食した小魚が混じっている可能性がある商品について、注意喚起表示は適正か。
なお、たんぱく加水分解物、魚醤、魚肉すり身、魚油、魚介エキスは(魚介類)と付記表示することで、えび・かにのアレルギー表示もカバーされるのは従来通り。
※厚労省の通知内容
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hyouji/info/dl/080604-1a.pdf
また、アレルギー表示Q&A も改訂されています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/0103/tp0329-2b.html#b2

◆調理冷凍食品の品質表示基準が改正されました。(農水省)
調理冷凍食品の品質表示基準が2008年6月3日改正告示されました。施行は7月3日で、猶予期間は1年間(2009年7月3日製造・輸入分まで)です。
<定義に関する改正事項>
[1]    冷凍エビ・いか・かきフライの定義のえび、いか、かきの範囲規定を廃止(これまで科名を付記し範囲を限定していた)。
[2] エビフライの定義に、細切・すり身にしたものを除く旨を加えた。えびフライとして販売される中から、再形成品を除外するため。
[3] コロッケ・しゅうまい・ハンバーグステーキ・ミートボール・フィッシュハンバーグ・フィッシュボールの原材料区分に「臓器及び可食部分」を追加し、これまで食肉に包含されていた肝臓や横隔膜などの内臓肉を食肉と明確に区分した。
[4] ハンバーグステーキ・ミートボール・フィッシュハンバーグ・フィッシュボールの原材料の「結着補強剤」を削除し、新たに具を加えたものを追加。(改正前はソースのみ)
[5] 「臓器及び可食部」に、新たな定義項目を設けて規定した。
[6] 冷凍餃子・焼売・春巻の形状の規定(制限)を廃止。例えば餃子では、「半円形状又は円形状に」を「半円形状、円形状等に」と変更。
[7] 冷凍めん類の中に調味料を添付したものが入ることを明確化した。
<表示方法に関する事項>
[8]  冷凍フライ類の名称表示規定の条文を整理・簡略化した。(内容変更はなし)
[9] ハンバーグステーキ・ミートボール・フィッシュハンバーグ・フイッシュボールにおいて、名称に食肉名等を併記。例えば冷凍ハンバーグステーキ(牛肉)と表示する場合の条件に、これまでの「魚肉・食肉及び肉様植たん」に加え「臓器及び可食部分」を使用していないことを追加した。
[10] 原材料名の表示規定の条文を整理し、原材料名の表示例に内臓肉の名称例として、豚肝臓・牛舌を追加した。
[11] ハンバーグステーキ・ミートボール・フィッシュハンバーグ・フィッシュボールの原材料名表示方法に具の表示表方法を追加した。
[12] 冷凍めん類の原材料名表示で、調味料等の添付のない製品については、めん(小麦粉、××、・・・)のような括り表示でなく、めんを省いて直接「 小麦、××、・・」と記載して良いことを明記(但し書き規定として)。
[13] ハンバーグ・ミートボール類で食肉・魚肉含有率表示が必要な食肉・魚肉使用量40%未満の算定において、ソース・具を除くことを明記した。
[14] クリームコロッケと表示する場合の下限規定「クリームの含有率8%」を、「原材料に使用した乳・乳製品等の配合割合から算出した乳脂肪の含有率1.4%」に変更。(乳等省令クリームの成分規格の乳脂肪分18%以上から算出)
[15] 衣の定義の「小麦、でん粉、脱脂粉乳、卵等を混ぜ合わせたもの」を「小麦粉又はでん粉若しくはこれらに脱脂粉乳、・・」に改めた。
<補足>
製品の多様化など市場実態、原料の種類や調達先の拡大を考慮し、形状規制や、原材料の種類の制限を撤廃し、また原材料としての食肉と内臓類の区分けを行ったもの。食肉、魚肉加工品などで、食肉、魚肉の範囲に肝臓や舌、その他内臓類を含めて表示しているものがないか、確認が必要になります。

◆新規のOIEのBSEリスクステータスの認定について(農水省)
第76回国際獣疫事務局(OIE)総会(5月25〜30日、於.パリ)で、新たなBSEステータスが認定されました
無視できるリスク国(5):
フィンランド、アイスランド、ノルウエー、スェーデン、パラグアイ
管理されたリスク国(25):
オーストリア、ベルギー、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキニア、スロベニア、スペイン、英国、リヒテンシュタイン、メキシコ
欧州におけるBSE問題(牛肉の輸出入制限)の実質収束です。

◆生産情報公表農産物等4日本農林規格の一部改正について(農水省)
1) 生産情報公表農産物のJAS規格の一部改正(20日告示 施行6月19日)
定義の化学合成農薬から除外する農薬を、これまでの「フェロモン剤」に加え、有機JAS規格で使用が認められている農薬に拡大。
※除外農薬:
JAS法施行規則に基いて農林水産大臣が指定した硫黄くん煙剤、・・・食酢、性フェロモン剤、
・・・・銅水和剤 など18剤。
<補足>
生産情報JAS規格は、化学合成・特定農薬にかかわらず、使用農薬全ての種類・使用回数の公表を規定しているが、化学合成農薬の節減割合は任意の公表事項。改正は節減割合(減農薬の旨)を公表する場合のカウント対象から、有機JASで使用の認められた化学合成農薬全体を除外し、有機JAS規格、特別栽培農産物ガイドラインと整合させたもの。除外対象の農薬であっても使用した場合は、従来通りの使用情報の公表が必要。
2) 水産物缶詰及び水産物瓶詰のJAS規格(20日告示 施行6月19日)
定義の整理、調味料(添加物)の追加など。
3) 異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖のJAS規格(20日告示 施行6月19日)
水分の廃止、灰分、pH範囲の一部修正、試験方法変更など。
4) 農産物缶詰及び農産物瓶詰め(21日告示 施行6月20日)
定義の整理、充てん液定義の削除、pH、添加物リストの一部修正など。

◆農産物缶詰及び瓶詰の品質表示基準の改正について(6月20日告示 農水省)
農産物缶詰及び農産物瓶詰のJAS規格の改正と整合させるため、条文整理で実質的内容変更なし。(内容を分かり易くしたもの)

◆体細胞クローン家畜由来食品に関する説明会(出席報告)
5月19日厚労省・農水省共催で体細胞クローン家畜に関する説明会が開催されました。厚労省は先般4月1日「クローン牛・豚及びその後代家畜由来食品の安全性」の評価を食品安全委員会に依頼しましたが、この件に関する社会的関心が高いことから、併せて国民との意見交換(説明)会が東京、大阪で開催されたものです。概要を紹介します。
※講演者:厚労省の鈴木バイオ専門官、(独)畜産草研究所渡邊上席研究員,熊谷東大教授 。講演後、両省担当官を交え会場と質疑応答。
<行政・学識者サイドの説明より>
体細胞クローン家畜(牛の例):
雌牛より未受精卵子を採取して核を含む一部細胞質を取り除き、他の牛個体(ドナー)から採取した筋肉・皮膚の細胞などで、予め培養していたものを入れて電気ショックで融合させる(初期化)。融合細胞を約7日間培養し、別の雌牛の子宮に移植(妊娠・受胎)。
後代家畜:
クローン家畜の子孫。ハイブリッドと異なり、完全な繁殖能力を有するので、通常牛、又はクローン牛間の交配による繁殖が可能。
安全性:
これまでに国内各研究機関の試験で安全性が確認され、また本年1月に米国のFDAが安全性の確認報告(通常繁殖家畜と安全性が同等)し、EUにおいてもEFSAが同様の意見書案を公表。クローン牛の生理機能・乳肉の成分などは通常牛の個体間差の範囲内に収まっている。
食品安全委員会へ評価依頼の背景:
日本、欧米ともクローン家畜は政府により出荷規制(自粛指導、審査事案)され流通実態はないが、食品として今後流通する可能性があること。評価に足る量の資料文献収集ができたことからで、外国からの要請など一切ない。(質疑応答)
外国から輸入の可能性:
安全性評価により米国政府は後代牛由来食品の出荷自粛要請を解除。最短9月程度で出回る可能性は考えられる。
クローン牛の生産コスト:
100頭に移植して妊娠は20%〜50%、出生は5〜10頭で残りは死産。現行技術では1頭当たりのコストが数百万以上のため、採算性はないが、優れた固体形質の保存の手段として生産し、その子孫(後代牛)を通常繁殖させることで実用性が高まる。(質疑応答)
<消費者サイドの質問から>
消費者連連盟、コープ連合の中央組織参加者の評価の考え方・文献の範囲などに関する意見表明や要望はいつも通りであったが、他に主婦連(全国、地域)や各地方の消費者組織の女性参加者から、動物福祉・倫理の観点から強い疑念の表明があり、クローン牛が仮に流通するようになった場合、選択(忌避)出来るように、クローン表示の法律による義務付けを強く要望する旨の意見が出された。
<補足>
クローン牛は通常牛より寿命が短く病弱等の統計データは、死産や育種技術上の問題が原因とのこと。生物学的には生殖細胞の核の融合で作られる新生体設計図(DNA対)を、既存細胞核の設計図で置き換えるもので、遺伝子組換えとは異なる人工交配の一手法(無性生殖)。誕生したクローン牛の個体は、有性繁殖牛と何ら変りなく、その産物のみが特異的に危険ということは生物学的に考えられない、ということへの理解は深まったようであるが、消費者、特に主婦層の嫌悪感は相当強いように感じた。何世代後までがクローン後代か、その由来食肉や原材料として使用した場合の表示の方法などは、まだ先の課題ではあるが、畜肉類を輸入する限り、将来的この問題への対応(考え方構築)は避けられない。

◆消費者行政推進会議取りまとめ素案について(首相官邸)
報道されている次年度消費者庁設立に向けた「消費者推進会議の第7回会合(5月21日)」の取りまとめ素案の全文が、内閣官房のHPに公開されています。商品の消費時点での問題発生・消費者対応から遡った行政集中化のスタンスが強く、良質な消費者サービスの提供と一体であるべきモノ作りやサービスの視点・技術的側面の分析が乏しいまま、権限(法律)の移管論議が展開されておりますが、詳細は下記にてご確認ください。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shouhisha/dai7/7gijisidai.html

◆「食品からのカドミウム摂取の現状の安全性に関する評価書(案)が取りまとめられました。(食品安全委員会 5月29日)
食品安全委員会は5月29日、食品から摂取されるカドミウムの健康影響評価書(案)を取りまとめ、パブリックコメントを開始しました。平成5年に厚労省より意見を求められ、専門部会で5年間にわたり審議されてきたものです。カドミウムの性状から自然界の分布、食品への移行、摂取(暴露)量、体内挙動、毒性、国際評価・基準等を基に、健康への影響を医学的、疫学的に分析評価し、日本人の平均暴露量を推定し、耐容週間摂取量(人が一生涯摂っても安全な量を体重1s当りの1週間摂取量で示したもの)を定めたものです。詳細は食品安全委員会のHPにあります。
<概容>
日本人のカドミウム摂取分布 (体重50s当たり週間摂取量):
平均値 3.47μg、中央値2.93μg、範囲0・67〜9.14μg
食品群からの摂取割合(%):
米46.5、魚介12.8、野菜海藻12.4、雑穀・芋12.4、他
米の中のカドミウム:
日本産は0.06ppmで、ベネズエラ(0.2ppm)、中国(0.08)を除く諸外国(0.01〜0.04)より高い傾向にある。
カドミウムの人体への影響:
体内に取り込まれたカドミウムの1/4は肝臓・筋肉、1/3が腎臓に蓄積される。脳・脂肪組織・骨への蓄積は極小。尿からの排出は0.01%と極めてわずか(尿回路で再吸収される)で、長期的な蓄積による健康への影響は腎障害。イタイイタイ病(骨障害)は特殊例。
国際基準(ppm)
精米0.4、穀類、芋、根菜、茎採0.05、その他野菜0.05、海産二枚貝2、頭足類(内臓除去品)2。(海産物、特に貝類やイカ・タコ類の内臓部にカドミウムの蓄積が多い)
日本の基準(食品衛生法):
玄米1.0ppm(精白米は0.9ppm未満)と玄米のみが規制の対象。日本人のカドミウムの暴露源の約50%は米。
<評価内容>
米の消費量の低下に相まって、年々カドミウムの暴露量(摂取量)が減少。疫学調査で、1週間当たり14.4μg(体重中50kg当たり)以下の摂取で健康障害(尿細管機能障害)は認められず、総合的な判断より耐容週間摂取量を 7μg/kg 体重/週に設定。
一般的日本人で食品からのカドミウム摂取で健康障害を起こす可能性は低いが、今後、環境由来など新たな知見が蓄積された場合は見直す。
<備考>
日本の食品中のカドミウム規制を行う場合の土台となる基準値の策定で、個別食品のカドミウム汚染・含有量を規制するものではありません。
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2008/05/28
今月の食の安全トピックス〔5月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆JAS法に基づく改善命令等2件(農水省)

1.  格付に関する違反
  1) しょうゆの不適正な格付及び格付表示
4月11日、香川県のしょうゆ製造業者に対して改善指示
◎違反内容 : こいくちさいしこみしょうゆ、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆについて、検査を
         行わず、またJAS規格と異なる原材料使用製品にJASマークを表示して販売。
  2) 有機JAS登録認定機関の不適正な認定業務
4月17日、大分市の特定非営利活動法人に対し改善命令。
有機農産物の小分け業者、及び外国小分け業者の認定の際、技術的基準で定められた認定条件の一部を確認できないままに、小分け事業者認定を行ったとして業務改善命令を発出。口頭聞き取りのみで、帳票確認など、基準通りに認定業務を行なかったことが問われたもの。
2.  加工食品の不適正な表示の改善指示
  1) 海苔巻きあられの原産国の不表示
4月11日 製菓メーカーが中国で味付け、製造したものを輸入し、自社工場で乾燥、小分けのみを行った海苔巻きあられ3品を、原産国名表示をせず、平成18年12月から19年11月まで約6トンを一般消費者に販売。
<補足>
乾燥、選別して小分けする工程は、食品衛生法では製造工程にあたり、製品が国内製造品扱いになることから、平成12年に、JAS加工食品表示基準が制定された後も、今年1月まで「原産国名 中国」と表示しないまま販売(業務用、小売用)していた。JAS法や景表法上では、関税法に倣い、加工品の単なる物理的処理や小分け包装の際、輸入食品として原産国名の表示が必要となる。かつてはナッツ業界なども、選別、検査工程を経たものは国産とされ、原産国名を表示していなかった。
  2) 緑茶に添加物の使用表示なし
4月11日、京都府の製茶・販売業者
お茶の製造・販売業者とその製造委託先が、緑茶(玉露)に、調味料(アミノ酸等)と重炭酸アンモニウム(炭酸水素アンモニウム)を使用しながら、原材料名として表示していなかったとして、この製造・販売業者に対して農水省、製造委託先に対しては京都府が改善を指示した。

◆原料原産地表示義務化に関する意見の募集結果を公表(東京都 4月16日)
東京都は16日、調理冷凍食品の原料原産地名の都条例による義務化の考え方について、都民より寄せられた意見をホームページにて公開しました。
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/jorei/singi/19toshin.html
<概要>
・  意見の提出主体数は24件で提出意見の総数は103件。主体者の大部分が消費者団体(11)と生協(7)で、他は事業者団体(3)、事業者(2)で消費者は1件のみ。
・  提出意見の内容を、賛同、反対、懐疑的の3パターンに分けると、消費者団体には懐疑的な意見も1件(団体)見られるが、他は殆どが賛同的意見で、生協サイドも表示技術論から、慎重な対応を求めるところを含めほぼ賛同の立場を表明。事業者・事業者団体の殆どは懐疑的、ないし反対的な意見が大半を占めている。消費者の意見は1件で、原料原産地表示は当然とし、都案より更に広範な原材料についての表示を求めている。
<補足>
一般消費者を念頭においた都民(生活者個人)の声の収集が、先の審議会で出された要望であったが、現実には意見提出の主体者の殆どが団体で、これまでどおり、各団体の立場の繰り返しになっている。そのため、都として何らかの形で(義務か推奨か)基準が設けられるということは、揺るがないとものと思われます。

◆食品衛生法施行規則が一部改正<食中毒発生時の国への速報事項の拡大>されました
4月21日 食品衛生法施行規則が一部改正され、都道府県から国(厚労省)への速報対象とする食中毒の項目が拡大されました(即日施行)。農薬メタミドホスを原因物質とする中国産冷凍餃子事件において、国への報告や横との連絡が滞り、問題が拡大したという経緯を踏まえた改正です。
<改正内容>
食中毒の発生の際、都道府県から厚労省への速報対象に「重篤な患者の発生」と、「化学物質(元素又は化合物をいう。)による食中毒」の二つが追加された。これまでの速報対象は、患者規模50人以上で、50人未満の場合は死者が発生、強毒性病原菌(9種)が原因、患者が複数の都道府県に跨る場合の広域発生に限定されていました。

◆食用塩の表示公正競争規約が制定(認定の告示)されました(公正取引委員会)
「食用塩の表示に関する公正競争規約」が4月21日の官報に告示されました(公取委認定日4月18日)。施行も4月21日ですが、特定用語の使用基準など表示規定には2年間の経過措置が設けられています。概要把握に必要な事項のみ以下に列挙しますが、詳細については公正取引委員会のホームページにて確認ください。
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.april/08041804.pdf

<表示規定の概要>
1.  食用塩の定義(規約対象として): 塩化ナトリウム含有量が40%以上の固形物で、一般消費者に食用として販売されるもの。塩化ナトリウム以外に含まれるものは、海水組成物(K、Mg、Caの塩化物及び硫酸塩、Naの硫酸塩等)、食品添加物、成型用でんぷん、海藻抽出物に限られる。
2.  必要表示
  1) 名称、原材料名、内容量、原産国名、製造者等の氏名及び住所等の食衛法、JAS法の義務表示事項を一括して表示する。
  2) 製造方法の表示 :
上記表示と別枠で、製造方法と区別して、原材料名、工程を以下のように表示する。
◎原材料名 : 海水、海塩、岩塩(溶解採鉱塩水、地下塩水を含む)、湖塩(塩湖水含む)の原料名称に原産国名を併記。 塩化ナトリウムを含む原材料を複数使用する場合、全体に占める塩化ナトリウムの割合を原料名に併記。また 「天日海塩(天日塩)」のように天日の表示も可(根拠ある場合)。
◎工程 : イオン膜、逆浸透膜、・・・・、洗浄、造粒まで主要工程名を列記(工程名は施行規則にリストアップされた用語を使用)。
    ※表示例 1 : ◇原材料名 : 天日塩(95% メキシコ)、海水(5% 日本)
◇工程 : 溶解、平釜、焼成
    ※表示例 2 : ◇原材料名 : 海塩(日本、イオン膜・立釜)、グルタミン酸ナトリウム
◇工程 : 混合、乾燥
  3) 塩化Na以外の塩類の含有量が25%以上の食用塩 :低ナトリウム塩である旨と、栄養表示基準に基づく成分表示を実施。1%以上含む成分を併記。
3. 特定事項の表示基準 : 地域名・地域的特長、にがりの使用・含有表示、海洋深層水、特色ある原材料、特定の栄養成分の有無・多寡など。
4. 特定用語の使用基準 : 天日塩、焼き塩、藻塩、フレーク塩、天然・自然またはこれらの類似語、特級・特選など。
5. 禁止表示(不当表示): 原産地の誤認、根拠のない最上級・唯一性等、成分・原材料・品質等の優良誤認、その他健康・美容、他商品の誹謗。
<備考>実際の運用は食用塩公正取引協議会が行う。PB商品も2年以内の表示変更が対象。

◆新食品等品質表示ガイドライン等の廃止について(農水省)
87〜98年にかけ「新食品等品質表示ガイドライン」、「一般品質表示ガイドライン」の括りで農水省局長通達として発出された、一連の品質表示ガイドラインの大半が廃止されました。2000年のJAS法改正で横断的品質表示基準(加工食品、生鮮)が制定されたことによって不要となっていたものです。なお、一部飲料の表示ガイドラインは、名称や原材料名称表示上の指針として存続されるようです(個別品表基の代用、強制力はありません)。
<廃止>きな粉類、落花生製品、朝食シリアル、即席みそ汁、焼き肉等のたれ、半発酵茶等、ビタ
      ミンC含有菓子、はとむぎ食品、 魚卵成形加工品、青果物の一般品質表示ガイドライン
<存続>ウーロン茶飲料、ミネラルウォーター、紅茶飲料、特別栽培農産物

◆特定施設の米国産牛肉の輸入を一時停止(4月23日 厚労省、農水省)
日米協定(米国の対日輸出プログラム)に違反した牛肉部位(骨付き腰肉)の混載が判明し、日本にて当該施設(カリフォルニアの食肉加工施設)の牛肉を、一時輸入停止すると共に、米国政府は同施設に対し、対日輸出を一時禁止。日本向けではない商品が1箱誤って混入した模様。昨年8月に東京の商社が輸入し、外食チェーンに販売された冷凍ばら肉(ショートプレート)700ケースに、骨(脊柱)付ショートロインが1箱混入していることが、当該外食チェーンの自主チェックにて判明したことに伴う措置。 脊柱がBSE対策上の特定危険部位に指定されていることから、マスコミが重大視して報道。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/080423.html

◆ポリソルベートなど6物質が新規に食品添加物指定されました。(4月30日 厚労省)
食品衛生法施行規則が改正され、4月30日付けで以下の物質が新たに食品添加物に指定されました。いずれも、国際的に広く使用されている添加物であることから、国際的な整合性を図るため厚労省が主導して(通常は業界が申請)指定を進めている一連の物質の一つです。

1)ポリソルベート4物質 : ポリソルベート20、60、65、80 の4物質。乳化・分散化・可溶化剤として食品毎の使用基準あり。一括名「乳化剤」
2)ケイ酸カルシウム : 使用基準あり→母乳代替食品・離乳食品への使用禁止、使用量は2%以下
3)L−アスコルビン酸カルシウム : 製造用剤、栄養強化剤。使用基準なし
(備考)
ポリソルベートの別名にツイーン(Tween)があるが、表示の名称はポリソルベート○○で、Noを省いた簡略名は示されていない
ポリソルベートはソルビタン脂肪酸エステル(ソルビトールに脂肪酸を結合させたもので乳化剤として使用されている)に酸化エチレンをくっつけた(20分子を縮合)もので、番号は主体脂肪酸の違いを示している(詳細略)。製品輸入、海外原材料の調達拡大につながる。

◆消費者団体訴訟制度関連の一連の法改正が行われました。(5月2日 内閣)
5月2日官報に「消費者契約法等の一部を改正する法律」が公布されました。改正法の施行は平成21年4月1日です。

1)消費者契約法の一部改正 : 適格消費者団体の差止請求権が制限されるケースを、独立条項を設けで明文化。
2)不当景品類及び不当表示防止法の一部改正 : 優良誤認・有利誤認の差止請求権を適格消費者団体に付与する規定を追加。
3)特定商取引に関する法律の一部改正 : 訪問販売・通販等における不当行為の差止請求権を適格消費者団体に付与する規定を追加。
<影響>
例えば、主婦連が優良誤認として問題視し業界への改善要求や公取委員会への調査要求をしたジュースの一日分野菜表示等について、景表法に基づく差止請求権の行使という形で、改善要求する(適格消費者団体の認定が前提)ことも可能となり、従来の聞き置く程度の対応では済まされなくなり、民事ルールに則った解決が必要となる場合も生じる。余計な紛争防止のためにも表示コンプライアンスに一層の留意が必要。

◆国民生活センターに仲裁機能を付与する国民生活センター法改正が行われました。(5月2日 内閣)
5月2日官報に「独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律」が公布されました。重要な消費者紛争の解決を裁判によらず適正・迅速に解決するため、紛争の和解・仲裁を行う「紛争解決委員会」を国民生活センターに設置することを主な内容としています。施行は来年4月1日です。
※消費者紛争 : 消費生活に関して消費者又は消費者契約法に規定する請求を行う適格消費者団体と事業者との間に生じた民事上の紛争。
中でも、その解決が全国的に重要なものを、内閣府令で「重要消費者紛争」として定め、争解決委員会に解決を委ねるものです。
(和解の仲介、仲裁法に基づく仲裁を経ても、解決に至らない場合には、消費者の民事訴訟の手続きの援助を行う。)
<影響>
重要消費者紛争の指定は今後行われるが、これまで消費者と事業者の情報の質・量、交渉力、資金格差から訴訟に持ち込めず泣き寝入りしていた消費者に対して、国民生活センターが無料で相談にのり、仲介を行うという趣旨。消費者トラブルの未然防止は勿論、企業内においても紛争内容、特に商品トラブルのケースについて、科学的、客観的、公平な視点にたった冷静な原因分析と対応がますます重要になるだろう。

◆野鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルス検出で注意喚起・周辺消毒(厚労省、農水省)
・十和田湖畔で衰弱または死亡したオオハクチョウから強毒性H5N1亜型インフルエンザが検出された件で、厚労省は、野鳥からの感染防止のための注意事項(4月29日)、また農水省は周辺の消毒計画(5月1日〜31日)を5月1日に発表しました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/tori-infuru0429.pdf
・その後5月6日には、北海道の野付半島で見つかったオオハクチョウの死骸からも同様のウイルスが確認され、サロマ湖で見つかった死骸についても同様の確認がされた。またお隣の韓国では、地方当局(慶尚北道)者が、養鶏場の検査結果「陽性」を隠蔽した問題が報じられている。

◆政府の食品危害に関する緊急時対応基本要綱・実施要領が策定されました。(4月23日 内閣府)
緊急時に備えた内閣府(国民生活局、食品安全委員会)、厚労省、農水省、文科省の担当部課の役割分担、問題発生時の国民生活局長(食品危害情報総括官)を起点とした政府内のレポートライン、対応について取りまとめたもの。日常の食品の安全に係わる情報の収集・分析が重要視された内容である。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kenkouhigai/080423kihonyoukou.pdf
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kenkouhigai/080423jissiyoukou.pdf

◆食品による窒息事故の調査分析結果に基づく注意喚起指導について(5月8日 厚労省事務連絡)
厚労省は、本年1月〜3月に行った「食品による窒息の現状把握と原因分析」調査結果を公表し、各自治体の主管部局に対し、調査結果に基づいた窒息事故予防の啓発や、食事提供の際の注意喚起を関係者に行うよう要請しました。
<概容>
全国の消防本部、救命センターを対象に平成18年1月1日から1年間の食品を原因とした窒息事故の発生事例を集計分析したもの。
発生数/死亡数 消防調査では724例発生し死亡65例(8.9%)、救命センター調査では603例で378(62.7%)が死亡していた。
年      齢 65歳以上で顕著に多く、乳幼児(0〜9歳)では1〜4歳が最も多い。
原 因 食 品 両調査とも「もち」、「ご飯」、「パン」などの穀類が多く、ついで菓子類が多く、その他魚介類、果実類、肉類など多岐に亘っている。
菓子類では消防調査で62例、救命センターで44例。飴・団子が多い。
カップ入りゼリーは消防調査8例、救命センター3例で、共に高齢者が乳幼児より多い。
もちの温度低下、カップ入りゼリーの冷温保存が咀嚼機能の未熟な小児や機能の低下した高齢者にとって、窒息の一つの要因。
このようにリスクの高い食品を食べる場合には、十分に咀嚼して食品を粉砕し、唾液と十分に懇話することが重要であり、窒息リスクを広く周知することも重要。
<備考>
小児のコンニャクゼリーによる2件の死亡事故発生を重要視した昨年7月の(独)国民生活センターの「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーによる窒息事故」に対する業界、行政への問題提起を受け、厚労省として食品窒息事故の実態調査を行ったもの。コンニャクゼリー事故はほんの一角で、基本食品での事故が大多数であることが明らかになった。詳細は厚労省のホームページにまとめられています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/chissoku/index.html

◆植物防疫法施行規則改正

イスラエル産レモン、マレーシア産マンゴーの輸入解禁(農水省)
5月14日付けで、植物防疫法施行規則が改正され、イスラエル産のレモン生果実、マレーシア産のハルマニス種のマンゴーの輸入が解禁されました
イスラエルには日本で未発生のチチュウカイミバエが発生しているため、同国からの寄主植物の輸入を禁止し、生果実類については、特別の温度処理(中心部1.5℃の低温保持など)によりチチユカイミバエが寄生していたとしても完全に殺虫できることが確認された果実に限り、輸入を認めています。 これまでに、スウィートオレンジ、グレープフルーツ、ポメロ、スウィーティが解禁されており、これに今回レモン果実が加わったものです
またマレーシアは、日本で未発生のミカンコミバエ種群及びウリミバエの発生国として、同国からの寄主植物の輸入が禁止されており、ハルマニス種マンゴーについては、同国が開発した蒸熱処理(過熱して中心部を43℃に加熱した後中心部を46.5℃に上げ20分保持)で死滅することが確認されたことから、処理条件で輸入が解禁されたものです
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/keneki/080514.html
※寄主植物 : 幼虫が食べられる、あるいは食べて成長できる植物

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2008/04/23
今月の食の安全トピックス〔4月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆東京都生活審議会で加工食品の原料原産地表示義務化の検討を開始(3月27日 東京都)

東京都は27日の東京都消費生活対策審議会に、「食品の原料原産地表示のあり方について」を諮問しました。具体的には、中国産冷凍餃子事件を契機に、都民の加工食品の安全性に対する不安が増大しており、この不安を解消するため、都民の日常生活に深く浸透している調理冷凍食品を対象に、都条例によって原料原産地の表示を義務付けるというものです。以下概要を紹介します。
1.  諮問の要旨
現在JAS法で国内製造食品について原料原産地表示を義務づけているのは生鮮食品に近い20食品群と、個別品目基準で規定されている4品目にすぎず、多くの一般加工食品、とりわけ都民の日常生活に深く浸透し、安全性への関心が高まっている調理冷凍食品にも表示義務が課されていない。都民の食品への不安を解消し、消費者に食品選択上の重要情報を提供するため、原料の原産地表示を早期に実現する必要がある。
2.  食品の原料原産地表示に関する東京都の考え方
  1) 原料原産地表示を行うべき加工食品:国内で製造された消費者向けに販売される調理冷凍食品(業務用品を除く)。
中国産冷凍餃子事件の影響で [1] 消費者の不信が高まり、国産調理冷凍食品についても原料原産地表示を求める声が多く寄せられ、業界としての対応が求められている。 [2] 調理冷凍食品は、家計支出の中で高い伸びを示し、利便性が高いことから都民の生活に密着している。 [3] 他の食品分野への波及効果がある(社会的注目度が高く、食品業界全体の取組みを促進)。
  2) 表示の対象とする原材料の種類:生鮮食品及び生鮮食品に近い加工食品。
※一般加工食品は、原料個々の原産地の確認は製造者にとって非常に困難で、「製造地」の表示では原材料の産地が反映されないので除外。
(例:海外産小麦を日本で小麦粉に製粉すると、小麦の製造地は国産となる)
  3) 表示すべき原材料の範囲
    [1]  原材料の全体重量に占める割合が上位3位迄で、且つ5%以上のもの(遺伝子組換え表示基準、野菜冷凍食品等の考え方を踏襲)。
    [2]  商品名に冠したもの (重量割合にかかわらず対象とする)
  4) 表示方法: 容器包装への表示を原則とし、省略規定を設ける。
[1] HP,FAX、電話等の対応 (問合せ先:○○など)、[2] 実績に基いた表示(アメリカ産又はカナダ産と表示し、説明表示を付加)など。
3.  業界意見・スタンス: 2団体が現状の問題点を列挙し、実施するに当たっての慎重な配慮を要請。
  1) 食品産業センター: 食品製造業5万社中零細7割、中小3割弱で大企業は僅か1%。中小零細では対応困難な場合が生ずる。また都条例を地方の企業に周知させることが困難だったため、東京に出荷した商品が条例不適合で回収された事例もある。解決しなければならない論点が三つある。
    [1]  輸入した中間加工品を原料の一部としている場合が多いが、製造業者が海外取引先から原料原産地情報を入手できる保証があるか、特殊な調達先、混合比率、加工技術情報等、海外メーカーの機密情報の要求ともなりかねず、結果として原料調達が困難になるおそれある。
    [2]  表示の実行可能性の問題(日常的な産地の切り替え・混合)、[3] 国際ルール(WTO協定、コーデックス規格)、商慣行等との関係。
  2) 冷凍食品協会:業界として既に自主的対応に取組んでおり、最近農水省の通知も出ている。義務化には以下の懸念があり慎重な対応を望む。
    [1] 加工食品の原材料は複雑・多岐に亘り事業者に大きな負担となる。 [2] リスク分散から原料を複数の地域、国、納入業者から調達することが多く、その都度表示を変えるとコスト増に加え表示ミスの原因となり、商品回収が増えるなど社会的損失の増加につながる。 [3] JAS法と異なる内容の基準が並立すると消費者も混乱するのでは。 [4] WTO体制下で非関税障壁として摩擦の原因になりかねない(海外生産増につながる)。
4.  今後のスケジュール
都民がどのような表示を望んでいるか調査しその結果を踏まえ4月中に集中審議して現在の19次審議会の任期(5月10日)内に取りまとめる。

<備考>
東京都は、7月ごろまでに答申を受け条例改正にもって行きたいとしている。現在都条例で調理冷凍食品に「原材料配合割合」の表示義務が課されており、ここに「原料原産地名」が加わる形となる。東京都の示した基準自体は、ダーエーPB商品で今後自主的に産地表示を推進していこうとしている原材料と同じですが、義務化となると、業界が指摘しているように、実行面では単品ベースで種々の問題が生じ得ます。

◆加工食品の原料原産地表示の推奨と表示の手引について(農水省通知)

・  農水省は3月19日、「加工食品に係る原料原産地情報の積極的な情報について」と題した局長・長官名の通知を、関連各業界に発出しました。JAS法の義務品目以外の加工食品について、自主的・積極的な原料原産地情報開示を促すと共に、表示内容がJAS法や景表法違反とならないよう、表示方法や注意点をQ&Aで示したものです。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/pdf/080319-01.pdf
・  また併せて原料原産地表示推進のための相談窓口の設置、原料原産地表示優良企業表彰、優良事例集の配布を行う旨がプレスリリースされています。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/080319.html

<Q&A(手引)の概要>
・  JAS加工食品品質表示基準の義務品目以外で、原産地情報を積極的に提供することを推奨する加工食品原材料を次のように例示。
  [1]  国産の原材料: 長野県産トマト使用の野菜飲料のトマト、北海道産小豆使用のあんぱんの小豆 など
  [2]  商品の主たる原材料: 鶏の唐揚げの鶏肉、さば味噌煮のさばなど<
  [3]  商品名や説明書きで強調されている原材料: のり煎餅ののり、こだわり牛肉で作ったコロッケの牛肉など
  [4]  原産地が固定している原材料
  [5]  原材料原産地表示義務対象品目の50%以下の生鮮原材料: 例えば60%牛肉・40%豚肉の合挽きの豚肉
・  表示の方法は、加工食品の原料原産地表示Q&Aで示された考え方と同じ。また原産国が変動する場合の〔A又はB〕表示の注意事項など記載。

◆生産情報公表養殖魚のJAS規格の公布、個別品表基の一部改正案の公表(農水省)

1) 生産情報公表養殖魚のJAS規格が3月21日公布されました(施行は1月後の4月20日)。なお牛肉、豚肉、農産物については既に制定済みで、また加工食品については、豆腐とコンニャクを対象とした「生産情報公表加工食品のJAS規格」が制定されています。
<生産情報公表養殖魚のJAS規格制度とは>
  以下の養殖魚の生産履歴に関する情報を、消費者に正確に伝えることを公的に認証する仕組み。
[1] 養殖業者等の氏名又は名称、住所及び連絡先並びに管理開始年月日、 [2] 養殖場の所在地、 [3] 養殖魚の水揚げ年月日、 [4] 種苗の種類(天然又は人工の別)、 [5] 種苗の捕獲年月と場所(天然種苗の場合)、 [6] 給餌飼料名及び飼料の製造業者名、 [7] 使用した動物用医薬品の薬効別分類と名称、 [8] 使用した魚網防汚剤の名称
  生産情報の表示:同一の生産情報ロット毎に認定生産工程管理者が識別番号(又は記号)を定め、「識別番号」と「生産情報の公表の方法」を容器包装面又はポップに表示。ただし生産情報を直接容器包装やポップに表示する場合は、「生産情報の公表の方法」の表示は不要。
2) 農水省は3月17日に以下の2品目の品質表示基準の一部改正案を公表し、国民の意見募集を開始。(募集期間4月15日まで)
  [1]  食酢: 使用原料を穀類、果実以外に、「野菜その他農産物及びはちみつ」に拡大し、醸造酢(□□酢)などの原料の特徴表示ルールを新設。
  [2]  ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料: 使用可能な原材料の範囲にはちみつ、香辛料抽出物を加え、食用植物油脂の重量割合をマヨネーズで65%以上、サラダクリーミードレッシングで10%以上50%未満とする。

<備考>
2品目群は名称規制品で所定の原材料しか使用できません。品質の多様化を図るための改正で既存商品の表示に影響ありません。

◆輸入加工食品の自主管理に関する指針(ガイドライン)(案)が公表されました(厚労省)
厚労省は3月31日、表題の指針(案)を公表し意見の募集を開始しました。中国産冷凍餃子事件を受け、再発防止には食品安全基本法、食品衛生法に明記された食品関連事業者の安全性確保上の第一義的責務を、食品の輸入者が果たすことが最も重要とし、その責務を果たす上で必要な事項を、輸出国における法規制、原材料、製造・加工、保管、輸送等の実務プロセス全般から、また輸入後に問題が発生された場合の回収、廃棄の手順策定にいたるまで、指針として示したものです。要点を紹介しますが、詳細は、厚労省のHPで確認ください。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495070338&OBJCD=100495&GROUP=

指針の対象: 外国に製造委託して製品輸入する者、加工食品の輸入者全般(委託関係にない輸入者は相手国の業者等を通じて製造者に確認)
確認体制: 輸入者は、必要な知識及び技術を有する責任者及び担当者をおいて指針に示す事項の確認を行うこと。
確認事項: 輸出国の食品衛生法体制、製造者の衛生管理水準等を勘案して、取引の各段階で確認を行うこと。
  1) 輸出国政府の監督、法規制及びその遵守状況(特に輸出許可制度ある場合はそれらの遵守がされていること)
  2) 原材料:受け入れ品が日本の規格基準に適合品(農薬、動物用医薬品等の生産資材)の使用状況であることなど。
  3) 製品の製造・加工:工程管理体制、有害・有毒物質対策、施設サニタリー・ペストコントロール、廃棄物、用排水管理、従事者管理、食品衛生責任者、最終製品の検査・ロット管理など。必要に応じ、輸出国の公的機関又は日本国内で試験検査して確認すること。
  4) 製品の保管・輸送・流通:衛生的な取扱い、有毒・有害物質の混入防止・殺虫剤の取扱い、輸送車両・コンテナ等の構造・清潔度・混載管理、輸送中の汚染防止、その他車両・コンテナのサニタリー、製品ロット管理・検数・保存、荷口の異常の有無確認、温度管理・保存基準の遵守状況など。
  5) 回収・廃棄:輸入者自らが行う回収手順を策定すること。適切な廃棄措置、必要に応じた公表措置を講ずること。
  6) その他:[1] 我が国の食品衛生規制の輸出先製造者へ教育指導、同様食品の違反事例の提供により技術・知識レベルの共有化。[2] 適正な表示の確認(関係行政機関等への事前照会等)、記録の作成・保存、試験検査の正確さ・精度の信頼性の確認。
※基本的事項の確認が求められていますが、食品の衛生管理をハードとソフトの両面から分析・チェックでき、且つ相手国、自国の法規制を理解できる責任者又は担当者の設置(体制の整備)と、輸入先企業への法規制の教育指導、情報提供が重要ポイントの一つとされています。

◆食品業界の信頼性向上自主行動計画策定手引の通知について(農水省)
農水省は3月25日、食品業界のコンプライアンス整備を支援する指針〔「食品業界の信頼性向上自主行動計画」策定の手引き〜5つの基本原則〜(案)〕を関係団体に通知しました。6つの業種区分ごとに5つの基本原則を設け、取組み方針と具体的取組み事項を提示したもので、内容詳細は農水省HPでご確認ください。
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/sansin/080325.html

◆加工でん粉11品目の添加物指定に関するパブリックコメントが開始されました(厚労省)
・  加工でん粉11品目を食品添加物に指定するための、食品衛生法施行規則の改正(添加物リストに追加)及び、食品、添加物の規格規準の改正(11物質の純度規格や確認試験法などの設定)内容が、3月13日にパブリックコメントに付されました。期間4月13日まで。
この後、薬食審食品衛生分科会総会を経て、5,6月中に厚生労働省令の改正告示が行われるスケジュールが既に公表されています。
・  なお、国際的な整合性を図るため、加工でん粉(11品目)を食品添加物に指定することの実質審議は既に終了済みです。パブリックコメントは11物質の具体的な規格規準や試験法の公表であって、結果によって指定の方向が変更されるということではありません。
(備考)
・  加工でん粉(化学的処理を加えた澱粉)のうち、「デンプングリコール酸ナトリウム」と「デンプンリン酸エステルナトリウム」の2品目は、昭和30年台に既に食品添加物に指定されており、今回これ以外で食品として扱われている加工(化工)デンプン11品目に追加するもので、この中には物理的、又は酵素的な加工を加えたものは含まれず、これらは従来通り食品として扱われます。
・  又、新規指定に併せて、従来のデンプングリコール酸ナトリウムを簡略名「加工でんぷん」として新規指定のものと整合させ、残るデンプンリン酸エステルナトリウムに関しては、新規指定の「リン酸化デンプント」と規格内容が重なり、食品添加物として流通・使用されているという情報が殆どないとして、指定取り消しの方向で(消除予定添加物として)、販売・使用ある場合は届け出るよう、保健所等を通じた調査が開始されています。
※直輸入品の中に「デンプンリン酸エステルナトリウム」が湖料等して使用されていない限り、販売者として特に届け出等の対応は不要です。

◆にがり(塩化マグネシウム含有物)の指定添加物への移行が繰り延べされました(厚労省)

厚労省は、昨年3月の基準改正により本年4月1日から指定添加物となった天然系添加物(既存添加物)のうち、「にがり(添加物としての物質名は粗製海水塩化マグネシウム又は塩化マグネシウム含有物)」について、厚生労働大臣が定める日まで先送りする旨を4月1日の官報に告示。
  07年3月30日付け 「食品、添加物等の規格基準」改正:添加物の部の全面改正(書き換え)を実施。既存添加物(旧天然添加物)65物質に法定規格基準を設定し、また試薬の濃度表記方法の変更や包材を含む一般試験法の改良などを行ったもの。
  既存添加物:これまでメーカー・業界の自主規格に委ねられ、特に製塩時の副産物でもある「にがり」は、地方の零細、個人事業者が特色ある製品を製造供給してきた実態があるが、法定基準の設定された添加物となると、食衛法に基づく添加物製造業の営業許可と食品衛生管理者の設置(有資格者の雇用又は営業者自らが資格取得)が必須となり、地方零細企業ではこの対応が困難なこと。また成分規格として、塩化マグネシウム含有量が12〜30%とされたことから、一部の特色ある既存商品が販売できなくなるなど、TBSが報道特集で問題提起を行い、3月下旬の国会質問を経て、厚労省にて食品衛生管理者要件を含め、「にがり」の成分規格の見直しを行うとしたもの。

<備考>
古くから食品の調味や豆腐製造に食品・添加物の区別なく使用されてきた「にがり」について、一時の飲用ブームで過剰摂取問題が発生した経緯もあったことから、業界実態や安全性に関係なく机上で成分規格を設定(線引き)したようです。なお平成7年に天然、化学合成の区別なく添加物の一体化を進める法改正が行われており、この過程でアカネ色素が禁止されたように、「既存添加物の規格化」については安全確保上、必要な施策です。

◆ク−ロン牛・豚に由来する食品の安全性審査を食品安全委員会に依頼(厚労省)
4月3日厚生労働省は、食品安全委員会に「体細胞クローン技術を用いて産出された牛及び豚並びにそれらの後代に由来する食品の安全性」と題した、クロ−ン牛・豚とその後代(子孫全般)を用いた食品(体細胞クローン家畜等由来食品)の安全性の評価を依頼しました。 国内外、とりわけ米国食品医薬品局(FDA)が本年1月に、クローン技術による牛・豚・山羊並びにあらゆる体細胞クローン家畜の後代に由来する食品(肉、乳)と従来繁殖の家畜由来食品を同等と評価し、これまでの食用への自粛要請を解除したこと、また同じく欧州食品安全機関(EFSA)も同様の意見書案を5月に公表することから、それらの食品が輸入される可能性も見据えて、安全性の評価を行おうとするものです。

<備考>
・ 国内では既に平成11年より厚労省、農水省でクローン牛と一般生産牛との比較調査を行ってきており、両者間に生物学的な差異が認められない旨、結論づけています。なおクローン牛・畜肉類は農水省の指導により一般には出回っておりません。この辺の経緯を含め、クローン技術については、食品安全委員会<http://www.fsc.go.jp/emerg/qa_jtd.pdf>はじめ、関係省庁のHPに詳しく解説されています。
※クローン牛等に消費者の抵抗感が強いことから、東京都は平成13年12月にバイオテクノロジー応用食品マークとして、「遺伝子組換え」、「受精卵クローン牛」の標示ガイドラインを作成して、消費者が購入時に一目で分かる識別マークの標示を推進しています。マーク制定時に東京都よりダイエーにマーク採用の要請があり、当時の商品部として、「遺伝子組換えマーク」はナショナルチェーンであるので全国一律の法基準(JAS法・食衛法)に従った表示に徹する旨、またクローン牛については取扱い予定がないが、将来扱う場合は考慮する旨回答(断り)した経緯があります。

◆アブラボウズの名称の表示の適正化を要請した文書が発出されました(農水省・水産庁)
・  農水省・水産庁は3月19日、岸和田市の水産物販売業が、アブラボウズを高級魚のクエとして約2t販売し、大阪府がJAS法に基づく改善指示を行った旨と、併せてアブラボウズの名称表示の適正化を、各自治体並びに関連業界に文書にて要請しました。
・  「クエ」は水産物名称表示ガイドラインに記載ありますが、アブラボウズの記載がないことから、魚種の差異の周知徹底を図るものと考えられます。

<クエとアブラボウズの違い:農水省HP>
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/080319_1.html

クエ: スズキ目ハタ科の魚で、主に和歌山県、九州地方沿岸で漁獲されますが、漁獲量が少なく、高級魚として知られ、関東では「モロコ」、九州では「アラ」と呼ばれています。(参考:市場関係者聞取価格 1kg当たり 3,000円〜10,000円程度)
アブラボウズ: カサゴ目ギンダラ科の深海魚で、主な産地は、相模湾、三陸沖及びミッドウェー海域(天皇海山)が知られています。東北地方の漁船がミッドウェー海域において漁獲し、青森県や宮城県などに水揚げされています。アブラボウズは、東北地方では一般に「沖ネウ」、「アブラボウ」という地方名で呼ばれています。(参考:市場関係者聞取価格 1kg当たり 700円〜1,500円程度)

◆食品の自主回収の報告義務づけが新たに3自治体で発足しました
4月1日より、宮城県、大阪府、名古屋市において、食の安全安心条例に基づく「食品の自主回収報告制度」が施行されました。
04年(平成16年)11月1日の東京都の義務化にならい、大分県(06.4.1)、徳島県(06.6.1)、岡山県(07.4.1)と続き、今般の2府県1市により、現在義務化は全国7自治体となりました。また義務化でなく自主回収の支援制度と位置づけている自治体に新潟県、群馬県がありますが、実質的な内容と運用方法は、義務化自治体と同じです。沖縄県、京都府では、現在準備中のようです。

<補足>
・  首都圏では、神奈川県以外で「食の安全安心条例」が制定されていますが、自主回収の報告義務付けは東京都のみです。また神奈川県においては、条例の制定ではなく「食の安全安心推進本部」を設け、行政組織内での対応をとっていますが、神奈川生協などを主体に、他府県同様に条例として明文化することを求める住民運動が行われています。
・  食の安全安心条例は国の「食品安全基本法」の流れをくむ条例で、現在全国20前後の自治体(政令都市含む)で制定されています。東京都と歩調を合わせ、安全安心条例を制定する自治体と、神奈川県・愛媛県などの既存条例に基づき「推進本部」の組織内対応をとるところと2分されていますが、今後条例化側が更に増えると考えられ、地方中核都市、例えば宇都宮市あたりでも検討が始まっているようです。
・  自主回収の報告(着手・完了時)対象は、東京都同様に食の安全に係わる事項(腐敗変敗、有害微生物汚染、危険異物、薬物汚染など、表示に関しては期限表示の誤りで安全に係わる場合)と食衛法違反品が原因の場合が殆どですが、宮城県においてはJAS法違反の場合も対象に含めています。

◆改正消費生活製品安全法の施行日が来年4月1日に定められました(3月26日 経産省)
・  昨年の11月21日に改正された消費生活製品安全法の施行を平成21年4月1日とする政令が3月26日公布されました。
・  また併せて、消費生活用製品安全法施行令(経産省令)が改正され「特定製品」に石油給湯機、石油ふろがま、石油ストーブの3品目が追加され、新たに法規定(新設)された「特定保守製品」として、屋内式瞬間湯沸器2品目(ガス、石油)、石油給湯機、ガスバーナー付ふろがまま2品目(都市ガス用、石油ガス用)、石油ふろがま、ビルトイン式電気食器洗機、密閉燃焼式石油温風暖房機、浴室用電気乾燥機の計9品目が指定されました。
  ※特定保守製品:消費者自身による保守が難しく、経年劣化による重大事故発生のおそれが高い製品として、法的点検制度の対象とする製品。

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2008/03/26
今月の食の安全トピックス〔3月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆国民生活審総合企画部会における食の安心・安全体制整備等の検討内容について(内閣府)

2月14日の国民生活審議会第4回総合企画部会の議事次第が内閣府のHPに公表されました。
内容は、(1)消費者・生活者を主役とした行政への転換の必要性、(2)行政上の課題([1]認定・評価等に係る民間登録機関等の有り方、[2]消費者・生活者のための情報窓口の在り方)、[3]ワーキンググループ報告「食の安心・安全に向けた体制整備について(案)」で、資料も併せて公開されています。
新聞等で報道された「食の安心・安全」に関する概要は以下の通りですが、詳細は内閣府HPでご確認ください。
  http://www5.cao.go.jp/seikatsu/shingikai/kikaku/21th/080214gijishidai.pdf

<食の安心・安全に向けた体制整備に関する提言案(食べるWG主査 御船美智子)>
食品安全(Food Safety)、食品防御(Food Defense)の概念の下、1)生産から食卓までの予防、2)リスクに即した検査・監視、3)事態が起きた場合の迅速対応の3点から、より総合的・統合的な体制強化と、消費者が信頼できる食品表示制度を確立する必要があることを基本認識とする。

1) 食品安全情報の一元化・共有と消費者への早期の警告ができる体制の構築
関係機関における食品安全情報の一元化、国境を越えた情報共有化、情報分析の強化のためのデーターバンク設置、ネットワークの構築等。
食品事業者に対し、食品安全に係る事故を知った時の関係省庁への報告義務と、事故情報を消費者に適切に提供することの責務化。
消費者への早期警告、大学・民間を含めた専門性から判断した原因究明の最適機関のネットワーク化など
2) 輸入時の検査体制の強化 (略)
3) 危害防止のための包括的枠組み:所管官庁に捉われない包括的な実定法の検討例えばコンニャクゼリー事故時の対応)。
4) 消費者にわかりやすい表示制度
[1]  食品表示の一般法の制定と執行機関の一元化:食品表示法(仮称)を新規制定し、真に消費者の望む表示の観点から、義務表示項目について検討し、効率的・効果的な法執行を行うべき
[2]  表示の見直し
  ・  期限表示は消費期限を中心に「製造年月日」の併記を検討し、「消費期限」等の名称も消費者に誤解がないかを再考し、表現の見直しを図るべき。
  ・  「消費期限」、「賞味期限」の表示の実態を検証し、安全係数のあり方等を検討すべき(実際の安全性担保期間より短いのが実態)
  ・  原料原産地表示制度について消費者視点から「主な原材料」の」の定義、対象加工品の範囲を再検討すべき。(※)
  ・  開封後の取扱い表示、中食・外食のトレーサビリティ推進、社会的価値の表示(例えば環境配慮)の在り方、意見募集制度の改善など。

<備考>
※原材料原産地については、表示共同会議等で国民生活センターサイドの委員と、農水省サイドの学識委員の間で、野菜や果実ジュースについて、生鮮食品の延長の食品(家庭で簡単にできる)か、加工度の高い工場製品と見なすかの認識のズレが示されたことがあり、また技術的に原料の原産地を固定することが困難として、産地表示義務の対象からはずされたという経緯があるため、このような点を踏まえた提言と考えられる。

◆「食品業界の信頼性向上自主行動計画」策定手引きについて (農水省)

食品業界のコンプライアンス整備を支援する指針〔「食品業界の信頼性向上自主行動計画」策定の手引き 〜5つの基本原則〜(案)〕が、21日の食料・農業・農村政策審議会食品産業部会で承認され成立しました。
一連の食品不祥事を受け、農水省は昨年10月に省内に食品の信頼性確保・向上対策推進本部と、コンプライアンス推進、食品表示の二つのワーキングチームを立ち上げ、表示関連では、業者間取引食品に表示義務を拡大(4月1日施行)し、今般企業のコンプライアンス体制整備の推進を目的とした食品事業者団体、食品事業者向けの手引書を作成したものです。

<構成>
1) 事業者団体向け手引き:
業界団体として消費者から信頼され続けるよう、必要な情報の提供・発信、相談対応、行政機関との連携等を行う役割を果たすことを明確にし、具体的行動に落とし込んだ「信頼性向上自主行動計画」を策定する上の内容指針。 (詳細略)
2) 食品事業者向け手引き:
6つの業種区分ごとに5つの基本原則を設け、取組み方針と具体的取組み事項を提示したもの。
  業種区分:
食品製造者・食品輸入事業者、食品製造小売事業者、外食事業者、中食事業者、生鮮食品卸売事業者、食品小売事業者
  5つの基本原則:
[1] お客様(消費者)基点の明確化 [2] コンプライアンス意識の確立 [3] 適切な衛生管理・品質管理の基本 [4] 適切な衛生管理・品質管理のための体制整備 [5] 情報の収集・伝達・開示等の取組み
1) 事業者団体向け手引き:
業界団体として消費者から信頼され続けるよう、必要な情報の提供・発信、相談対応、行政機関との連携等を行う役割を果たすことを明確にし、具体的行動に落とし込んだ「信頼性向上自主行動計画」を策定する上の内容指針。 (詳細略)
2) 食品事業者向け手引き:
6つの業種区分ごとに5つの基本原則を設け、取組み方針と具体的取組み事項を提示したもの。
  業種区分:
食品製造者・食品輸入事業者、食品製造小売事業者、外食事業者、中食事業者、生鮮食品卸売事業者、食品小売事業者
  5つの基本原則:
[1] お客様(消費者)基点の明確化 [2] コンプライアンス意識の確立 [3] 適切な衛生管理・品質管理の基本 [4] 適切な衛生管理・品質管理のための体制整備 [5] 情報の収集・伝達・開示等の取組み

<内容>
取組方針に「お客様を基点としてお客様に対し安全で信頼される食品を提供することを基本方針とします」とお客様基点(お客様の視点から考えること)を明記し、開発、企画から販売に至る食品の品質・安全管理の実務プロセスから、コンプライアンス、誠実で透明性の高い消費者と双方向のコミュニケーション、食品事故対応、内部通報体制まで、企業として整備すべき事項と考え方を示したもの。

<備考>
業種によって、表現用語、取組み事項に多少の違いはあるが、殆ど内容は同じです。社内基準や規範が既に策定済の企業には、その内容が行政の求める要件を満たしているか、また自主規範を自ら策定できない小規模事業者には、業界団体として対応することが求められています。
 詳細はHPでご確認ください
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokusan/bukai_03/pdf/data2-2.pdf

◆食品による薬物中毒の再発防止対策(関係閣僚申し合わせ内容)
中国製餃子事件をうけた政府の対策が、「食品による薬物中毒事案に関する関係閣僚による会合申合せ」として取りまとめられています(2月22日)。既に新聞報道等もされていますが、品質衛生管理上の関連項目を紹介しておきます。
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kenkouhigai/080222kakuryomoushiawase.pdf

<対策内容>
1.  情報の集約・一元化体制強化
  [1] 食中毒事案が発生した際の現場から本省への連絡ルート、情報発信先等の見直し改善(詳細略)
  [2] 情報共有システムの改善:関係各省に食品危害情報総括官(仮称)を指名して、定期的に連絡会議を行う、他
  [3] 事業者が把握した情報の行政への報告ルートの確立(事業者に」よる問題把握の強化)
  苦情等の情報の行政機関への報告ルールを作成 → 「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関するガイドライン」を平成19年度中に改正して、消費者からの健康被害や食衛法に違反した食品等の情報を保健所等に速やかに報告すべきことを追記する。
2.  緊急時の速報体制強化:関係府省における対応の強化として食品危害情報総括官(仮称)の制度を設ける
3. 輸入加工食品の安全確保対策の強化
  輸出国への対応強化要請、輸入食品の監視体制を強化し(器機、人)、加工食品の残留農薬検査の強化を行う
  輸入者自身による輸出段階での管理強化:厚労省にて平成19年度中にガイドラインを作成し、輸入業者を指導する
  加工食品の残留農薬試験法を開発し検疫所の検査を行う
  その他福祉施設への注意喚起、学校給食用食品の安全性に関する連絡体制、基準改正など

●食品衛生事故の届出の改善・強化について (厚労省)
3月5日食中毒等の届出に関する基準、食衛法改正案がパブリックコメントに付されました。中国産餃子の農薬混入事件を受けた措置です。

1)食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(04年2月27日厚労省通知ガイドライン)の一部改正

<改正事項>
ガイドラインの本文に事故時の保健所への届出(報告)を明記した(「第2食品取扱い施設等における衛生管理13情報提供」の項の変更)。

【現行規定】  消費者に対し、販売食品等についての安全性に関する情報提供につとめること
【変更規定】  上記を(1)とし、(2)として次の一文を追加
2)製造、加工又は輸入した食品等に関する消費者からの健康被害(医師の診断を受けたもの)及び食品衛生法に違反する食品等に関する情報について、保健所等へ速やかに報告すること。

<備考>
ガイドラインの内容は監視・指導実務を担う自治体の管理運営基準に落し込まれますので、自治体によっては個発クレームであっても、報告を求めるケースも生じ得ます。指針自体は法令ではありませんが、条例で指導基準化されることから、実質的に法同様の効果を有します。

2)食品衛生法施行規則の改正(医師→保健所長→都道府県知事→厚生労働大臣への速報事項の拡大)

<改正事項>
食中毒情報は、医師→保健所長→都道府県知事までは発生規模に係らず、報告義務が課されていますが、都道府県から厚労省への発生の一律速報義務は規模が50人以上の場合で、50人以下の場合は、死者が発生、強毒性病原菌(9種)が原因であり、患者が複数の府県にまたがっているなどのケースが指定されています。今般このように50人未満であっても、都道府県知事から厚生労働大臣への速報義務の対象に、重篤な患者の発生と化学物質食中毒のケースを追加しようとするものです。具体的な変更規定は以下の通りです。
[1] 現行の「当該中毒により死者が発生したとき」を「当該中毒により死者又は重篤な患者が発生
  したとき」に改正
[2] 現行の速報対象の食中毒起因物質のリスト(9つでいずれも微生物)に、新たに10「化学物質
  (元素又は化合物をいう。)」を追加
<備考>
行政機関内の連絡の問題であるが、病因物質に化学物質が加わったことにより、診断に当たった医師から保健所への報告が増える可能性があります。(現在も化学物質食中毒は医師に報告義務あるが、診断が難しいことから、殆どが微生物や自然毒中毒に集中)食中毒苦情商品等について、原材料・工程に関するより専門的な説明責任が求められるケースが増えることも考えられます。

◆えび、かにのアレルギー表示の推奨(任意)から法的義務への変更について
アレルギー原因物質として、十脚目(えび・かに)を表示義務対象に指定することが決まった旨が報道されています。27日開催の厚労省の薬食審食品衛生分科会 食品表示部会で承認されたもので、今後上部組織の食品衛生分科会の議決を経て5月ごろに食品衛生法施行規則の改正が予定されています(猶予期間は2年程度)。 先般(2月27日)開催の薬食審食品衛生分科会表示部会の審議資料一式が、3月5日に厚労省のHPで公表されましたので案内いたします。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/s0227-10.html

<補足>

・  昨年3月の厚労省・農水省合同の表示共同会議での承認、10月のパブリックコメントを経て今般食衛法の改正手続きに進んだものです。
・  留意点は、表示義務物質(特定原材料)が、現在の乳、卵、小麦、そば、落花生の5品目から、えび、かにを加えた7品目となることに加え、この改正に併せてえびの範囲が現在対象外の「いせえびビ、うちわえび、ざりがに類」に拡大されることです。なお、かにについて範囲の見直しはありません。
  えびの範囲指定の経緯:
日本標準商品分類で、「えび類(いせえび・ザリガニを除く)」と「いせえび・うちわえび・ざりがに類」が区分されていることから、02年のアレルギー表示制度施行時点で、表示義務対象のえびを商品分類上のえび類(いせえび・ザリガニを除く)とし、ザリガニ類等については、交差抗原性の検討を行うとされていました。その後の検討結果でえび類にアレルギー症状を示す人は、ざりがに類にも症状を示すこと、また十脚目のアレルギー症者の絶対数が多いことから、えびの範囲見直しと共に、カニと合わせて、表示の義務化が行われたものです。
・  えび、かにのアレルギー表示に関しては、Q&A類も併せて公表されており、日本標準商品分類で「その他甲殻類」と分類されている、しゃこ類、あみ類、おきあみ類をエビの範囲としないこと(アレルギー症者が少ない)、また、コンタミがさけられない場合の注意喚起表示や、製造の工程上、原材料を厳密に分別できない「たん白加水分解物・魚醤・魚肉すり身・魚油・魚介エキス」の4品目に限っては、(魚介類)と併記することによってアレルギー表示のえび・かにに代えることができることは従来通りで、変更がない旨も明記されています。
・  但し、えび・かには魚網などの漁具や魚の胃内などに滞まり、水産食品の多くにコンタミ機会があることから、海藻類を含む広範な水産食品に一律的な注意喚起表示を認めるべきとする意見に対しては、アレルギー症者の「食の選択」の機会を狭めないため、あくまで十分な検討をした上のコンタミ表示であるべきとして、一律的注意喚起表示の考え方を退けています。

<対応上の注意>
・  PB商品は、従来より義務(特定原材料)、推奨(特定原材料に準ずるもの)の区別なく、表示することとなっておりますので、改正によってアイコン表示スペースの確保の件を除き、商品表示上で特に影響を受けることはありません。
・  しかし実際問題として、これまでえび・かにが法的に任意扱いであったことから、委託メーカー段階における原材料チェックやコンタミ防止等の管理実態面に盲点(見落とし)がないか、えび・カニの混入機会が有りながら表示のされていない海産系の原材料等について、今後確認が必要になってきます。店内加工品も同じです。

◆加工でん粉の添加物指定について
・  加工でん粉の添加物指定の件について、先般(2月27日)開催の薬食審食品衛生分科会表示部会の審議資料一式が、3月5日に厚労省のHPで公表されましたので案内いたします。
・  本件は4,5月に食品衛生分科会に諮り、5,6月中に食品衛生法施行規則を改正し、1年半程度の経過期間を設けるとされています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/s0227-10.html

◆冷凍加工食品の残留農薬検査の実施を通知 (厚労省)
厚労省は2月19日、[1]餃子等違反食品の中国製造者の製品は全ロットを対象にジクロボス、メタミドホスの自主検査の実施、[2]すべての加工食品輸入者に対し、原材料及び製造加工段階での残留農薬管理状況を製造者に確認するよう指導すること、[3]輸入の冷凍加工食品全般を対象とした有機リン農薬のモニタリング検査の実施を行うよう、検疫所に通知しました。

◆業者間取引の活鰻の原産地偽装に対する農水省の措置について(農水省)
農水省は2月20日、静岡にある食品総合商社の営業所(鹿児島県)が、鹿児島県内の特定2業者との間で伝票による架空取引を行い、自ら所有する台湾産290トン、中国産52トンの活鰻を国産と偽り、鰻の加工業者に全量販売したとして、同社に対して厳重注意を行った旨を発表。
※偽装の手口は、台湾産、中国産の活鰻を販買し、同量の活鰻を国産として仕入れる形の架空取引を伝票・帳簿上で行ったもの。取引は、04年5月から06年9月まで85回行ったとされているが、現在まだ業者間取引の原料活鰻は、JAS品表基の適用外であることから、JAS法に基づく措置でなく、厳重注意の形がとられている。
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/080220.html

◆はち蜜の表示の重点調査結果について(2月20日 農水省)
市販「純粋はちみつ」に異性化液糖等の混入がないか、農水省は店頭販売はちみつ304点を購入し、炭素安定同位体比を分析した結果、18点(18業者)に異性化液糖の混入が認められた。18業者の内訳は広域業者7業者、地域業者11業者で、広域業者の立入調査結果、意図的な混入は認められなかった旨を発表。(地域業者は都道府県で対応)
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/kansa/080220_1.html

◆未承認DNA組換えコーンの種子コンタミに関する米国の発表と日本の対応について (2月23日 厚労省、農水省)
農水省と厚労省は23日、米国政府において未承認遺伝子組換えトウモロコシが種子へ混入した事実と、それによる安全性への影響は無視できるとした旨の発表(22日)があったとし、日本においても特別の措置を講じる必要はない旨をプレスリリースしました。
<米国政府の公表概要>
未承認遺伝子組換えトウモロコシ(イベント31)が微量混入したとうもろこし種子が06年と07年に誤って農家に販売・作付けされ市販品からごく微量検出されたが、当該品の産生たん白質は既に承認されているものと同一であり、且つ07年度産トウモロコシへの混入率は0.0002%以下とごく少量で、安全性に問題ないことから、米国内での流通や輸出に関し規制等の措置は講じない。

◆特別用途食品制度の見直しについて (厚労省特別用途食品制度のあり方に関する検討会 2月5日議題より)
特別用途用食品について、現状に即した見直し、通常の食品でも対応可能な部分については、許可制度の枠外とするなどの見直し方向が公表されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/s0205-2.html

◆新食品表示ガイドラインの廃止に関する意見募集につて(農水省)
・  昭和62年〜平成10年の農水省通達「新食品等品質表示ガイドライン」中の8ガイドラインと、青果物の一般品質表示ガイドラインの廃止に関する意見募集が1月31日より行われています。
  〇廃止:  きなこ類、落下生製品、朝食シリアル、即席みそ汁、焼肉等のたれ、半発酵茶等、ビタミンC含有食品、はとむぎ食品
  〇存続:  魚卵成型加工品、ウーロン茶飲料、ミネラルウオーター類(容器入り飲料水)、紅茶飲料。生鮮では特別栽培農産物のガイドライン。
・  加工食品品質表示基準・生鮮物品質表示基準の制定(平成12年3月31日)で用を終えたものが廃止され、プラスアルファ表示が望ましいもの、例えば「ミネラルウオーターでの採水地表示」や、「名称の標準(ウーロン茶など)」を示すものは存続の様です。表示に当たってはこれらの尊重が必要です。

◆牛海綿脳症の防疫指針の一部改正案の意見募集(農水省)
BSE疑似患畜の範囲から、患畜の産子を除外することを内容とした「牛海綿状脳症に関する特定家畜伝染病防疫指針」の一部変更に関する意見募集が13日より開始されています。現在BSE発病前24日月以内及び発病後に生まれた産子は、疑似患畜として処分対象となっていますが、生殖を通じたプリオンの伝達性がないことが実験的にも疫学的に証明され、OIE基準が変更(平成18年3月)されたことに伴う措置です
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2008/02/27
今月の食の安全トピックス〔2月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。


◆中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害事例の発生について(厚生労働省)
平成20年1月30日の食品安全部監視安全課により、報道発表のあった中国産冷凍ギョウザの健康被害事例については、いまだ収束しておらず、学校給食等への影響も懸念される事態となっています。

これは、1月29日に東京都から厚生労働省に、本年1月5日に兵庫県において1家族3名、1月22日に千葉県において1家族5名の有機リン中毒の疑いがある事例が発生したことをきっかけにおこったものです。この両事例において、発症直前に東京都食品製造が中国から輸入した冷凍ギョウザを摂食していたとの情報提供があり、輸入実績を調査したところ、当該冷凍ギョウザは同一時期に輸入された、同一製造者のものであることが判明しました。

○有機リン中毒とは
メタミドホスは、その後検出されたジクロルボスと同様に、有機リン系の農薬です。これらの成分である有機リンによる中毒とは、有機リンが神経系のアセチルコリンエステラーゼを阻害することにより、神経が異常に興奮状態となり、縮瞳、嘔吐、めまい等を起こし、重症の場合、徐脈、呼吸障害、昏睡となり、死亡に至ります。

○中国産冷凍ギョウザによる健康被害が公表された日(1月30日)以降に都道府県等に
あった相談・報告数について
・平成20年2月18日15時までに都道府県等から報告があった件数
 (1)有機リン中毒が確定した患者数:10名(全て1月29日以前に報告のあったもの)
 (2)有機リン中毒が疑われ、現在調査を行っている事例数:0名
 (3)有機リン中毒が否定された事例数: 5,296名

<概要>

中国産冷凍ギョウザを食べて有機リン中毒(メタミドホス)と確定した患者数は10名
(千葉県 7名、兵庫県3名)。
中国産冷凍ギョウザによる健康被害が公表された1月30日以降に都道府県等にあった
相談・報告については、調査の結果、神経症状などの有機リン系農薬による中毒症状が
ないことなどにより、全て有機リン中毒が否定されている。
なお、健康被害を訴えた方から食べた食品の残りの提供を受けている場合は、万全を期する
ためジクロルボスについても分析を行うよう、2月5日、都道府県等に対して指示している。


<備考>
冷凍餃子の農薬検出問題は、故意(事件)か、或いは包材又は製品パッケージに何処かでメタミドホス入り薬剤が付着した「事故」の線が強いようです。これをもって中国製品全てが構造的に危険と騒ぐのは適当ではありませんが、突発リスクの検証という視点が今後の中国工場における調査では、より重要性を増すことが考えられます。
※建屋内、コンテナ等の防疫はガス燻蒸、液霧(ミスト)噴射、燻煙処理に乳剤散布が併用されるが、ガスは一般的に製造施設で使用されない。使用可能な殺虫剤は日本では屋内防疫用に認可されたピレスノイド系(除虫菊成分)など低毒性で分解の早い殺虫剤に限られますが、これらを成分としたスミスリン乳剤の散布が原因の商品異臭は日本でも過去に発生事例があります。中国工場調査に当たっては防虫・防鼠の仕組み、外部業者委託等についてもチェックが重要です。

◆業者間取引食品の表示義務化のためのJAS品質表示基準の一部改正が告示されました。(農水省)
JAS法に基づく6品質表示基準(横断基準2、個別品目基準4)の一部改正が1月31日の官報に告示されました。施行はいずれも本年4月1日です。

<加工食品品質表示基準 (横断基準)の改正事項>
「業務用加工食品」の定義を新設し、これまで対象外であった「業者間で取引される加工食品」に表示基準を設けた。
  1) 業務用加工食品の定義:
加工食品のうち、一般消費者に販売される形態となっている以外のもの。
※表示免除の規定 :
表示の免除されたインストア製造加工食品や飲食店で使用される業務用加工食品には表示義務を免除。
  2) 表示対象業務用加工食品:
表示免除以外の一般消費者向け製品の原材料となる加工食品。メーカー向け原材料、店内小分け包装用の加工食品などがこれに該当する。小売商品と異なり、包装形態に関係なく表示が必要。例えば通い箱、タンクローリー納品も表示の対象。
  3) 表示事項:
名称、原材料名、製造業者等の氏名又は名称及び住所、 原料原産地名表示対象品目にあっては原料原産地名。
  4) 表示方法:
容器包装、送り状、納品書等(製品に添付されるもの)又は 規格書等(製品に貼付されないもので、製品を特定できるもの)に記載。
製造業者等(販売業者も含む)に、表示作成根拠帳票類の整備と保存に関する努力責務を新設。 (保存期間はQ&Aで3年程度とされる予定)

<生鮮食品品質表示基準及び個別表示基準の改正>
加工食品同様に「業務用生鮮食品」を定義し、名称と原産地の表示義務を課した。表示が必要ない加工食品の原材料として販売される生鮮食品は、表示義務の対象外となり、表示根拠資料の整備、保存の努力責務の新設等も加工食品品表基の改正内容と同じ。個別の品目基準の改正は、削りぶし、農産物漬物、うなぎ加工品、野菜冷凍食品の4基準に、それぞれの原料となる業務用加工食品の定義と表示事項を追加したもの。

<備考・補足>
〇小売店関連事項:加工食品の店内小分け包装は、インストア製造加工に該当せず表示義務の対象であることから、表示根拠帳票の整備・保存規定の対象となり、原材料名、原料原産地名の表示根拠帳票類(電子帳票も含まれる)の整理・保存が必要となる。他にとくに影響なし。

〇業務用加工食品の表示項目
・  小売用加工食品と異なり名称、原材料名、原料原産地名、製造者名に限定されているが、食品衛生法により期限表示、保存方法、また計量法の特定商品は内容量も必要となります。食品衛生法で多くの加工食品に期限表示・保存方法の省略が認められていること、計量法の特定商品も限定されていることから、それらと整合させるため、JAS法の業務用品の表示基準には、それら項目を盛り込まなかったものです。
・  すなわち、現在も商品と一緒に流れている「商取引に付随した情報」、つまり現行の業務用食品の表示に、今回新たに原材料名と原料原産地名が加わっただけで、今改正によって新たな負荷が発生するものでないというのが農水省のこれまでの説明です
・  なお、小売店向けでインストア加工、小売の両方に使用されるものや、用途が限定できない場合は表示義務の対象となります。

◆鳴門産わかめの産地偽装に関する強制捜査と徳島県の対応について(新聞報道より)
・  徳島県警と鳴門署は1月19日、原料に中国及び韓国産の塩蔵わかめを混合使用しながら、鳴門産カットわかめと表示して販売したとして、不正競争防止法違反容疑で業者を強制捜査しました。また徳島県は、当該3社について、1月21日にJAS法に基づく改善指示を行うと共に、1月22日に県内50業者を集めて適正表示の徹底を要請し、1月23日より全50業者を対象に立入り調査を開始しました。
・  鳴門産わかめについては、以前よりこの種の疑惑が取りざたされており、昨年12月初旬には徳島県に内部通報によって、4,5社を対象として、県がのべ9回の立入り検査を実施したことから明らかになった。

◆加工でんぷんの食品添加物指定に伴うJAS規格、品質表示基準の改正案のパブリックコメント(農水省) http://www.maff.go.jp/j/public/index.html
・  加工でん粉(アセチル化アジピン酸架橋デンプン等11品目)の食品添加物指定に備え、「加工でん粉」を「でん粉(添加物以外の原材料)」として一体で扱っている18のJAS規格、及び8品質表示基準の一部改正案が2月7日パブリックコメントに付されました。この指定に伴い、JAS規格、品質表示基準違反品がでるのを避けるための措置です。
・  鳴門産わかめについては、以前よりこの種の疑惑が取りざたされており、昨年12月初旬には徳島県に内部通報によって、4,5社を対象として、県がのべ9回の立入り検査を実施したことから明らかになった。
  (1) 加工でん粉を新たに、使用できる食品添加物として規定する(18規格)
  (2) でん粉含有率の「でん粉」に「加工でん粉」を含むこととする(3規格、7基準)
  (2) 用語の定義のなかで加工でん粉を使用できるようにする(ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準)

<備考>
食衛法に基く食品添加物への指定告示はまだ出ていませんが、厚労省の審議会で昨年暮れに承認されており、近々告示される予定になっています。指定に伴う商品の対応事項は次の通り。

○食品衛生法上の対応
(1) 加工でん粉・でん粉の区別なく「でん粉」と一体表示していた食品は、「加工でん粉」と「でん粉」に分けて表示する。
(2) 原材料名表示をせず、添加物表示のみ行っている店内パック商品等について、加工でん粉が使用されているかいないかの確認が必要となる。

○JAS法上の対応
(1) 原材料名表示で、でん粉と加工でん粉を区別して表示する。表示に当たって、食材の場合は食材の区分に、添加物として使用されている場合は添加物の区分に、表示する。

※食衛法は、添加物の表示場所等を指定していないので、表示さえあればよいのですが、JAS法は食材と添加物の区分表示を規定しています。なお 改正後の猶予期間は2年程度になると考えられます。
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2007/12/26
今月の食の安全トピックス〔12月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きたトピックス・食品事故・事件の
中より、注目する内容をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。


◆フランチャイズ業界へコンプライアンスの徹底を指導(農水省)
農水省は11月29日、総合食料局長、生産局長連名で、社団法人日本フードサービス協会、
社団法人日本ハンバーグ・ハンバーガー協会に対し、フランチャイズ契約店先を含めた
コンプライアンス遵守体制を構築するよう要請(指導通知)しました。有名ファーストフード店
のフランチャイズ店4店舗の調理日時改ざんが発覚したことに伴う措置です。


◆大量調理施設衛生管理マニュアルの一部改正について(厚労省)
厚労省は、昨年から本年にかけノロウイルスによる食中毒及び感染症が大幅に増えたことを
踏まえ、「大量調理施設衛生管理マニュアル」の改正を行うこととし12月5日、改正内容を
公表し、広く意見を求めています。

詳細はhttp://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/public.html

<概要>
食中毒菌の範囲にウイルスを含めたことによって、従来の加熱調理条件「中心部が75℃で
1分以上又はこれと同等以上の加熱」としていた基準温度の75℃に「ノロウイルス汚染の
恐れがある食品の場合は85℃で一分以上」と85℃の基準を付加した。
管理対象の「調理従業者」を「調理従業者等」に改め、「食品の盛り付け・配膳等、食品に
接触する可能性のある者、及び臨時職員を含む」に拡大。
調理従業者等の専用トイレ、トイレの清掃・消毒の指針を設けた。
調理従業者等の月1回以上の0-157を含む検便の検査項目に、新たにノロウイルスを含める
ことが望ましいとした。
無加熱で野菜・果物を提供する場合の洗浄殺菌処理の対象範囲から、みかん、バナナ等
喫食者が自ら皮をむいて食するケースを除外。
下痢嘔吐症状の調理従業者等には医療機関で受診させることと、ノロウイルスが原因の
場合、当人及び当人と接触して感染機会があった従業者等の検便を実施し、陰性が確認
されるまで、調理に直接従事させないことが望ましいとした。
その他、調理従事者等の自己健康管理、責任者の管理責務の強化、危機管理体制等に
ついて付加した。

◆業者間取引食品の表示義務化のため、JAS品質表示基準の改正案を公表(農水省)
農水省は、食品の業者間取引への表示義務の拡大を必要とした検討会の報告書を、11月末に
公表し、国民の意見を募集していたが、これらを踏まえた最終案(品質表示基準の一部改正案)を
12月5日に公表し、パブリックコメントに付した。意見募集期間は1月3日まで。

<品質表示基準の改正案の内容>
○加工食品の品質表示基準:  業務用加工食品の定義を新設し、基準の適用対象とした。但し
表示の様式(一括表示、文字の色、文字サイズ等)は規制外とし、
容器包装外の送り状、納品書、規格書等への記載でも可とした
(但し製品が規格書等から、そのものと特定できることが必要)。
他に、根拠帳票の整備、保存に関する努力責務規定、 また、
業務用品には内容量、賞味期限、消費期限、保存方法の表示
省略規定を設けた
○生鮮食品品質表示基準:  業務用生鮮食品の定義を設け、表示義務(名称、原産地)の
対象とした。但し原料原産地名の表示義務対象である加工
食品(20食品群)については、加工されないものは原産地の
表示の省略が可能。その他表示の方法、記載様式などは
加工食品品質表示基準に同じ。
○個別4品質基準を関連改正:  削りぶし、農産物漬物、野菜冷凍食品、うなぎ加工食品の
品質表示基準について、業務用品として取引先で製品(商品)
化されるものや、 主要原料として販売するものを表示義務の
範囲に加えた(加工食品品質表示基準と整合させるための改正)。

<備考>
現在JAS、食品衛生法ともに、表示義務の対象は容器包装された加工食品、としていますが、
適用拡大にあたって、業務用加工食品については、表示義務を容器包装された製品に限って
いません。タンクローリーなど様々な取引形態があり、送り状の他、種々への記載を認めて
いることからと思われます
業務用加工食品に内容量、期限表示、保存方法の省略規定が設けられました。食品衛生法
(運用通知)でも、多くの加工食品に期限、保存方法の表示の省略が認められており、加工
食品品質表示基準が明文化されたことにより、納品された原材料について、使用者サイドに
おいて有効に利用するための自主管理基準(期限の再設定)がしやすくなる(誤解を受けない)
とも考えられます。
下痢嘔吐症状の調理従業者等には医療機関で受診させることと、ノロウイルスが原因の場合、
当人及び当人と接触して感染機会があった従業者等の検便を実施し、陰性が確認されるまで、
調理に直接従事させないことが望ましいとした。
12月12日 にCS協会で農林省担当者を招いた説明会が開催されますが、その後も2月末まで、
農水本省、各地の農政局、業界団体等主催の説明会が毎週各地で予定されています。

◆鶏インフルエンザに関する渡航者向けの注意喚起(厚生労働省)
厚生労働省は、12月10日付けで高病原性鳥インフルエンザの発生している国の情報を更新し、
「鳥に近づくな さわるな!」とのタイトルで、流行地域へ出かける場合の注意を呼びかけています。
年末に海外渡航を計画している場合、予め注意事項を確認しておきましょう。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html


◆風味調味料の品質表示基準、JAS規格が一部改正されました(農水省)
11月27日官報にて一部改正の内容が告示されました。猶予期間は08年12月26日までです。
(1)  風味調味料品質表示基準の改正
風味原料の定義において、「かつおぶし」を「節類(かつおぶし等)」に変更し、風味原料に
さばぶし、あじぶし等も含まれることを明確にした。
風味調味料の名称規制(風味調味料品質表示基準やJAS規格に適合したものしか風味
調味料と表示できなかった)をはずした。(類似のもの、例えば調味料のアミノ酸を添加して
いないものも風味調味料として販売が可能となった。加工食品品質表示基準の名称規制
リストより削除したもの。)
その他、乳糖は砂糖類を含めて表示することなど。
(2)  かつおぶしのJAS規格改正
かつおぶし以外のふし(さばぶし、あじぶし等)が風味原料に含まれることを明確にするため、
風味原料の定義において、「かつおぶし」が「節類(かつおぶし等)」に変更されました。
水分の規格が削除されました。
全窒素分の規格において、かつおぶし以外の代表的な風味原料である煮干いわしと煮干
とびうおを使用した場合の基準値が設けられました。
賦形剤の基準値が、「でん粉含有量2%以下」から「でん粉及びデキストリンの配合量2%
以下」に変更されました。
風味原料の含有率の計算式が変更されました。

◆国民生活センター「回収・無償修理などのお知らせ」より
(11月20日から12月19日までの食品関連)
・表示関連:  アレルギー表記漏れ 3件、量目不足 1件、添加物表示の誤記 1件、賞味期限
の改ざん 1件、賞味期限の誤記 1件、原材料表示の誤記 2件、表示の印字ミス
  1件、産地及び添加物表示の誤記 1件
・微生物:  大腸菌群検出 1件、カビ発生 1件、リステリア菌の検出 1件
・その他:  包装不良 1件、配合ミスによる風味不良 2件、賞味期限切れ原料の使用 2件、
金属片混入 2件
提供:品質管理プログラム/品質管理の安心と安全をまもるなら「消費経済研究所」
http://www.syo-k.co.jp

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2007/11/26
今月の食の安全トピックス〔10・11月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きた食品事故・事件の中より、注目する食品事故・事件をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆平成19年(2007年)食中毒発生事例(速報)(厚生労働省)
平成19年1月1日から10月12日までに発生件数は618件、患者数14,804名、死者数3名と発表された。病因物質別の発生件数ではカンピロバクター・ジェジュニ/コリが最も多く、230件、次いでノロウイルス160件、サルモネラ属菌59件であった。患者数ではノロウイルスが8,954名、ウェルシュ菌1,527名、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ937名であった。なお、死者3名はふぐ、きのこといった自然毒が原因であった。


◆表示の偽装の広がりの拡大
9月半ば以降食品表示に関する不祥事が拡大の一途をたどっています。三重県菓子製造の食品表示違反以降に表面化又は行政措置された主な事案は次の通りです。
・三重県菓子製造:製造日改竄、出荷商品の回収再利用 他
・三重県菓子製造:製造日付の先付け、賞味期限の変更 他
・大阪府高級料亭:売れ残り菓子、ケーキの消費期限シールを毎回張替え販売
・三重県菓子製造:原材料表示順誤り、製品の冷凍保管
・秋田県食肉加工:比内地鶏以外の廃鶏等を原料として使用
・鹿児島県百貨店:ブロイラー肉を商品に「地鶏炭火焼セット・宮崎鶏」と表示
・東京都飲料製造:トマトジュース等の原料で表示と異なる産地を使用
・鹿児島県漬物製造:中国産塩蔵大根に「鹿児島産」と表示
・宮城県食肉加工:賞味期限切れ牛肉の販売、原料に期限切れ牛タン使用
・大阪府緑茶製造:熱湯玉露に調味料(アミノ酸)と重曹を使用(添加物表示なし)
・福岡県たらこ製造:たらこの製造日を最大4ヶ月偽造


◆タイ産冷凍赤とうがらしの回収依頼(厚生労働省)
横浜検疫所によるモニタリング検査の結果、タイ産冷凍赤とうがらしからプロピコナゾール(0.10ppm )が検出し、食品衛生法第11条に違反することが判明した。当該冷凍赤とうがらしは、すでに全量通関済みであり、国内流通の可能性があるため、11月5日に厚生労働省から各自治体に対し、国内で販売されることがないよう回収を依頼し、輸入者に対し自治体の指示に従うよう指導を行った。


◆カナダ産牛肉に係る自主回収の指導(厚生労働省)
10月29日、カナダ政府よりカナダ食肉加工R社が6月13日に加工した牛肉について腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒の調査結果に基づき回収措置とる説明があった。これを受け厚生労働省は11月6日に、当該牛肉等の販売の中止・回収と、同社から既に輸入した他の加工日の牛肉等について食中毒調査が終了するまで販売を見合わせるよう指導した。また、同社からの輸入手続を保留することを公表した。


◆不正表示を新たに課徴金対象へ(公正取引委員会)
11月13日、公正取引委員会は、独占禁止法の改正で新たに課徴金の対象に加える違法行為に排除型私的独占、優越的地位の乱用とともに不当表示を検討していることを明らかにした。不当表示を行った場合の課徴金額は違法行為で得た売上高の3%〜5%にする方向で調整しており、独占禁止法の特例法である景品表示法に規定される予定。


◆ヨーネ病感染乳牛の生乳を使用した牛乳の回収
10月27日、家畜法定伝染病「ヨーネ病」に感染の疑いがある乳牛の生乳が原料に含まれていたとして、牛乳約62万個が告知回収された。10月22日の家畜伝染病予防法に基づく定期検査の結果、平塚市の酪農家の乳牛41頭の内の7歳の一頭が、ヨーネ菌に感染していることが確認され、同酪農家を集乳ルートとする原料牛乳を使用している製品について、保健所の指導に基づき自主回収措置をとった。
※ヨーネ病とはヨーネ菌により発症する反芻動物(牛、羊、山羊)の慢性腸炎で、下痢、体重減少、乳量低下などの症状を呈し、発症牛は処分される。ヨーネ菌は熱に弱く、63℃、30分の加熱で殺菌されることが確認されており、人体に感染しないとされている。


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2007/10/24
今月の食の安全トピックス〔9月号〕
品質管理プログラムを提供する消費経済研究所が、最近起きた食品事故・事件の中より、注目する食品事故・事件をピックアップし、お知らせします。リスク管理対策としてお目通しください。

◆いかの塩辛で腸炎ビブリオ食中毒が広域発生(厚生労働省、宮城県 19日プレスリリースより)
9月8日から15日にかけ横浜市、横須賀市、茨城県で腸炎ビブリオ食中毒が6件(発症者217名)発生。塩釜市のメーカー製造の、いかの塩辛が原因食品と判明し、19日に管轄の塩釜保健所は、同社に対し、しおから類全製品(16品目で、賞味期限07.09.19から07.10.15までのもの)の回収を命令し、営業の禁止措置をとった。


◆タイ産のベビーコーンの一部輸入手続の保留と輸入済み商品について回収を指導(厚生労働省)
厚労省は19日、デンマークとオーストラリアで発生した赤痢菌感染に関連※するとされているタイ産ベビーコーンと同一の包装業者が出荷したベビーコーンが日本に輸出されている可能性があるとの情報を、タイ政府等か18日に入手したとして、当該包装業者のベビーコーンの輸入手続の保留と、輸入済品(本年1月以降2輸入業者が1.8トン輸入)について、販売・使用の中止、既に販売済されたものの回収を、関係自治体を通じて指導した旨を公表。
※8月16日にデンマーク政府が、国内で発生した赤痢菌感染症の感染源の疫学調査の結果、2つの会社の食堂のサラダバーで提供されたタイ産生鮮ベビーコーンが原因食品と疑われるとした旨発表。
輸入保留品には生鮮だけでなく水煮、冷凍食品等の加工品も含まれます。


◆健康食品用の米国産農産物の乾燥品及び粉類について輸入時に放射線照射の確認を指示(厚生労働省)
厚労省は19日、先般健康食品の原料として輸入された大豆発酵抽出物イソフラボンの放射線照射事例(輸入者が自主的に回収)に関し、米国政府に確認した結果、大豆発酵抽出物は、米国において調味や香料等として原料の一部に使用される乾燥野菜に該当し、放射線殺菌が認められるものであることが確認されたとして、今後健康食品の原料として使用される米国産の農産物の乾燥品や粉類については、輸入者を通じて放射線照射がおこなわれていない旨の確認を行うよう各検疫所に対応を指示。


◆JAS法違反等の商品の農林水産省等への自主的な申請について(日本CS協会)
日本チェーンストア協会は14日、先般(9月7日)の農水省の通知内容にそって、JAS法違反又はJAS法違反のおそれある商品について自主的な申告対応を行うよう会員各社に文書で要請(農水省の通知文書と自主申告書様式、申告先一覧が添付)。 なお、申告先は農水省本省の消費・安全局 表示規格課のほか、地方農政局(8)、地方農政事務所(39)の表示規格課がリストアップされた。


◆新聞情報2件
【1】こんにゃくゼリーの子供・高齢者への警告統一マークの作成(20日 各社)
全国こんにゃく協同組合連合会、全日本菓子協会、全国菓子工業組合連合会で、統一自主マークを作成し、会員企業で来年1月末までに表示を実施。アウトサイダー企業、輸入業者にも同調を促すとのこと。
【2】10月より「ブレンド米」の表示特別調査(19日 日経)
農水省が来月より、全国の米卸、小売約3000店を対象に「ブレンド米」の一斉表示調査を行うことを18日に決めた旨を報道。


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