2008/01/30更新
【カンピロバクター】
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、家畜、家禽、ペット動物等に広く分布し、微好気的条件下(酸素を3〜15%必要とする)で発育し、大気中や嫌気的条件下では発育できません。室温、乾燥や酸性領域では不安定で死滅しやすいですが、4℃や凍結状態では安定しており長期間生存するとされています。
菌の形態特徴としては、変法スキロー培地上に直径1mm前後、水滴状の半透明スムーズ型コロニーを形成し、らせん状桿菌であることからコルクスクリュー様の運動性を示します。
本菌による感染症の多発しやすい要因は微量菌の摂取で感染し発症するためであり、ヒトの下痢症と関連するものとしてはC.jejuniとC.coliが重要で、これら2菌種は25℃では発育しませんが42℃でも発育することができます。
また、潜伏期間が一般に2日〜5日と他の食中毒菌と比べ長いのが特徴です。
食品衛生法、衛生規範での規格基準
食鳥肉には食品衛生法で医薬品の残留基準はありますが、微生物的な規格基準はありません。ただし、カンピロバクターによる食中毒は100個未満でも発症することが知られていることから、サンプリング方法も含め、目的に応じた感度の良い試験を実施することが大切です。
実施の意味
我が国において(平成17年)、カンピロバクター食中毒はノロウィルス、サルモネラに続いて3番目に多く、サルモネラと同様家畜や家禽などの腸管内に保菌されているため、と畜解体時に汚染することがしばしば起こり、その後の調理過程での加熱不足や取り扱い不備から2次汚染が強く示唆されています。
なお、鶏肉への汚染が最も多く、市販の鶏肉に30〜80%の確率で存在するとされており、食中毒の重要な発生要因とされています。
ちょこっと話
顕微鏡で観察をすると、カンピロバクターの生菌はらせん型(コルクスクリュー様の運動)が確認できますが、継代培養をするにつれて球状化することがあります。
球状化する原因はわかっていませんが、このような現象もあることをふまえたうえで観察していくことが必要です。
写真:変法スキロー培地上のコロニー

顕微鏡写真:カンピロバクター(らせん状)