2008/01/30更新
【セレウス】
セレウスとは
セレウスはバチルス属に属し、中央性の芽胞を形成するグラム陽性大桿菌です。NGKG培地上ではビロード状のコロニーを形成し、その周辺に白濁した卵黄反応環(ハローと呼ばれる)を呈し、更にその周囲をアルカリ化して鮮明なピンク色になります。
セレウスによる食中毒発症者は少ないものの、土壌菌及び空中にも浮遊しているいわゆる常在菌であり、食品が汚染される機会は大変多いとされています。また、多くの菌型がでんぷんを分解でき、形成する芽胞は100℃に耐えるため完全に殺菌するにはレトルト処理が必要等、少々やっかいな菌です。
食中毒の症状には下痢型、嘔吐型があり、潜伏期も早いものから遅いものまであります。エンテロトキシンを産生するため、毒素型食中毒として扱われていますが、症状は全般的に軽症であり、ほとんどが1両日で回復し、予後は極めて良好であるといわれています。
食品衛生法、衛生規範での規格基準
セレウスによる食中毒は発症域が高く、少なくとも10の6乗、通常は10の8乗オーダー程度存在しないと過去の事例では発症していません。よって、検出されない(=陰性)ことを目標としたり、菌数で管理したりと検査対象品や状況に応じて管理目標値を設定することが必要です。
実施の意味
セレウスは、自然界では芽胞の状態で存在することから、芽胞に汚染された食品を加熱調理によって完全に死滅させることは難しく、食品を保存中に芽胞が発芽、増殖し、これを喫食して食中毒となります。
ちょこっと話
バチルス属などの桿菌は、一定条件下で植物の胞子に相当する、球形〜卵形の芽胞を形成します。芽胞の位置は中央性、偏在性、端在性など、菌種に
よって異なり、菌の同定には重要なポイントの一つです。
写真1:NGKG寒天培地上のコロニー

写真2:セレウスの顕微鏡写真 ( [1]栄養細胞 [2]芽胞形成時 )

図:芽胞の位置